また八月五日がやってきた
思い返せば前のオリンピックの年だったんだ。あの年のオリンピックのことはほとんど覚えていない。野球が負けたことくらいだ、覚えているのは。あの頃の僕は完全に抜け殻だった。
あれから4年。僕はあの頃には想像できなかった人生を歩んでいる。この一年でも大きく変わった。
結婚して、子どもが産まれて、平々凡々な幸せを掴んだ。それでもなお、Kのことを思うと心の奥底に大きな傷跡があるのを自覚する。
何故、Kは死ななくてはならなかったのか。僕にはKを救うことは出来なかったのか。
この二つのことは永遠に答えがでないように思える。答えなどないのかもしれない。僕ができることは分かっている。冥福を祈ること、自分の人生を精一杯生きること。結局この二つしか、僕にはもうできることがない。
最近、「誰でも良かった」と言って人を殺すどうしようもない人間が増えている。人を殺す前に、自分の人生を呪う前に、「大切な人を失う人の気持ちを考えろ」と言いたい。自分には大切な人がいないから分からない、というような奴は、人を殺す前にそういう人を見つければいい。それでも人を殺したかったら、自分の命を絶つがいい。
Kよ、そっちの暮らしはどうだ?Sさんがそっちに行ったろう。もう会ったのか?僕はまだまだあと50年はそっちに行かない予定だ。子どもが一人前になって、ついでに孫の顔までみたいもんでな。そっちでの活躍、祈ってるよ。
以上!


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